マイルチャンピオンシップ 競走成績
 デュランダルの三連覇はなりませんでした。同一GIを三連覇することの難しさを痛感させられたレースとなりましたね。同時に、追い込み馬の限界を見た気もします。
 レースはローエングリンが引っ張り、前半3Fが34.2、後半3Fが35.0という前後半の差がない流れでした。ただ道中のラップが11.5より落ちていませんから、よどみのない流れであり、必ずしも先行馬が楽をできる流れでは無かったと言えるでしょう。
 勝ったハットトリックは後ろからの競馬でしたが、デュランダルとは違い3角で動けたことが大きかったでしょう。元々、昨年のこの時期から4連勝した馬で今年の京都金杯を勝った時には今年のマイル路線で面白い存在だと期待された馬であります。その後成績が奮わなかったのですが、今回見事に盛り返しGI奪取となりました。まだ4歳馬ですから、来年はマイル路線の中心馬として活躍して欲しいと思います。
 2着のダイワメジャーは腐っても皐月賞馬ですからね。人気と成績が比例しない天の邪鬼タイプというイメージが強いですが、条件が揃うと立派に走りますね、この馬は。速いタイムへの適性も高いですし、関西への初輸送もこなしました。気性とノド鳴りの心配さえなければ、もっとガツガツ勝てる馬なのですが…。
 3歳牝馬のラインクラフトは今回は先行せず中団に控えての競馬。直線しっかり伸びて3着に入りました。3歳牝馬ということでどうしても世代がどうの牝馬だからどうのと言われてしまいますが、ここでしっかり成績を残せたことは大きいでしょう。牝馬なので今後の永続的な成長というのを望むのは酷だと思いますが、それでもこの路線なら非常に面白い一頭になってくれるでしょう。来年のマイル路線をかき回す存在となることを期待します。
 さて、王者デュランダルですが…冒頭に追い込み馬の限界と書きましたが、正直そこに敗因を求めるしか無いと思います。自身33.2というメンバー最速の上がりを使っていますから特別調子が悪いとかそういうことは無かったんでしょう。つまり、いつも通りの競馬をして今回は負けてしまったということです。それは何故か? それは1:32.1というレースレコードでありコースレコードタイなタイムでレースが決着してしまうと、どうしても脚質的に取りこぼしてしまう可能性が高くなってしまうのでは無いかと。
 コースレコーダであるビハインドザマスクという馬は基本的にはデュランダルと同じ追い込み馬でしたが、このコースレコードを記録した時は前後半の流れが今日のレースと殆ど同じで、同馬は中団から差す競馬でした。まぁレースの格が違いますし、そもそもレースなんて水物ですから比較しても意味など無いと言えばそれまでなんですが、それでも追い込みという脚質が本質的に高速決着に向くのかどうか問われたならば、「向く」とは言い難いのが事実でしょう。
 まぁ追い込みという脚質が他の脚質と比べてリスクの高いものであることは、今更言うことではありません。展開・ペース・馬場が向かなければ、それこそ惨敗しても全く文句の言えない、非常に危険性の高いものであることは周知の事実であります。
 にも関わらず追い込み一手のデュランダルが単勝1.5倍に支持されたということは、競馬ファンの過信というのがいかに凄まじく愚かであるかというのが、如実に表れたと言うしかないでしょう。同時に、今の古馬短距離陣の層の薄さを露呈してしまっているとも言えます。
( `.∀´)
 ラインクラフトが3着に入ったことで、この馬の春のマイル戦の戦いぶりが伊達ではなかったことが証明されました。
 この馬や先週のスイープトウショウを見ていると、父エンドスウィープの種牡馬としてのスケールの大きさを感じずにはいられません。単にフォーティーナイナーの後継として、あるいはミスプロ系の代表種牡馬としての働きを超越して、非常にバラエティに富んだ子を輩出する、新たなキーブラッドとしての可能性があると断言してしまいたくなります。
 ミスプロ系特有の仕上がりの早さとスピード能力は言うに及ばず、そこからのプラスアルファに溢れた種牡馬だったと言えます。芝への適性は予想以上ですし、中距離域でもスイープのような活躍馬がいるわけで、非常に日本の競馬にマッチした血脈であります。
 ここ10年、サンデーサイレンスの血に偏りすぎた弊害が、少しずつ出始めている今の競馬界。そこにこういった非SSの血というのは、大変重用されます。そういった意味でも、日本での種牡馬生活が3年で終わってしまったことは、非常に残念であると切に思います。

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